◆ 第六回:やる気を出すための方法 ①

 

 成績アップを邪魔する原因については、今までの話でなんとなくだけど分かったわ。

 でも……それが分かっても、なんていうか、パッとやる気が出ないのよね……。


 

 ロボットみたいに、スイッチ押せばやる気が出るみたいな身体だったらね……。

 宿題だけは仕方なくやるけど、やる気が出ないときにやっても、時間ばっかりかかっているような気が……。


 

 まあ、そう簡単に、やる気が出れば苦労はしないよね。

 そんな二人に、今回は「やる気の出し方」について教えてあげよう。


 

 やる気の出し方?

 そんな便利なもの、本当にあるの?


 勿論だ!

 ところで……二人とも、勉強をするときに、何か目標を立てているかい?

 どんな小さなことでも構わない。

 机に向かっている時に、目標を決めてから向かっているかな?


 

 目標?

 そんなの、あんまり気にしたことないなぁ……。


 

 宿題をするときの目標なんて、宿題を終わらせるってことじゃないの?

 それ以外の勉強は……試験勉強なら、とりあえずテストでいい点を取る……とか?


 う~ん……。

 一哉君、目標なしに勉強しても、たぶんそれは辛いだけだよ。

 英美さんも、目標を立ててはいるみたいだけれど、ちょっと漠然とし過ぎている上に、その立て方ではやる気にはつながらないね。


 それじゃ、どうすればいいんだよ……。

 俺、目標とか立てるの苦手だし……ほとんど達成できないから、立てても意味ない気がするんだよね……。


 

 一哉君の場合は、目標の立て方が悪いんだろうね。

 もしかして……目標と聞くと、なにか凄い大きなことを成し遂げないといけないなんて思っていないかな?


 

 あ~、それはあるかも……。

 テストで5教科合計を一気に450点以上にしたいとか、毎日8時間は試験勉強するとか……。


 いや……さすがにそれは無理でしょ……。

 一哉の成績、いつも平均点と同じか、それ以下じゃない。

 それに、毎日8時間も勉強するとか、本気で言ってるの!?


  一哉君のように、無理な目標を立てたところで、結局は挫折して自信を失うだけだ。

 でも、英美さんみたいに、漠然とした目標を立てても意味がない。

 瞬間的にやる気を出すには、もっとシンプルで具体的な目標を立てないとね。


 

 シンプルで具体的って……例えば、どんな感じの目標?


 そうだね……。

 例えば、その日の内に、自分が何をできるようになりたいのか、まずはそれをイメージしてみよう。

 英単語を10個覚えるでも良し、教科書の暗唱ができるようになるでも良し、数学の難しい問題を1問解決するでも良し。

 とにかく、ちゃんと形として成果が分かりやすく、成長も実感できる目標が望ましいね。


 

 形としての成果に成長、か……。

 それじゃ、ノートをまとめるとか、問題集を10ページ終わらせるとか、そういうのはダメなの?


 最初はそれでもいいけれど、慣れると単なる作業になってしまう。

 そうなると、ダラダラとやるだけになるから、あまり意味はないね。

 どこかで成長を実感できるタイプの小さな目標に切り替えないといけない。

 小さな目標をクリアして行くことで、達成感を溜めて行けば、だんだんとそれが苦痛ではなくなって行くはずだよ。


 

 まずは自分ができるようになりたいことを決めて、それを目標にして頑張れってことね。

 1日っていう縛りもあるし……確かに、あんまり凄い目標は立てられそうにないわね。


 大きな目標は1つだけに絞って、毎日の目標は小さなものを立てた方がいいんだよ。

 その方が達成感も得られやすいし、小さな達成感を積み重ねて行くことで、次に勉強する時にも、比較的簡単にやる気を出せるようになって行くんだ。


今回のまとめ!

 やる気を出す方法!】

 

 ■まずは小さな目標を立てる! 目標がなければ人は頑張れない! 

  作業ではなく、なるべく達成感を得られる目標にするのがベスト。

  大きな目標は、1つくらいに絞っておけば、達成できなくてもダメージは少ない。

 ■目標を立てるために、自分がどうなりたいかイメージする!

  自分が何をできるようになりたいか、まずはそれをイメージしよう。

  イメージの際は、なるべく具体的にできるようになりたいものを考えよう。