◆ 第九回:テストが終わった後は?

 

 ふ~う、ようやく定期テストが終わったぞ。

 これで明日からは、しばらくのんびりできるかな。


 

 私も、明日から部活再開ね。

 今度の大会に向けて、また忙しくなりそうな予感……。


 おいおい、二人とも。

 テストが終わってほっとしたのは分かるけれど、ここで気を抜くのはまだ早いぞ!

 テストっていうのは、終わった後……返却された時が肝心なんだ。


 

 え~、なにそれ!

 ここまで頑張って勉強して来たのに、まだ何かやれていうの!?


 まあ、試験が返却されるまでは、今まで通り普通に学校生活を送ってくれれば構わないよ。

 ただし、試験が返却されたら、点数だけ確認して終わりにしていないかな?

 机や鞄の奥底にしまい込んで、そのまま忘れていないかな?


 え?

 だって、終わったテストでしょ?

 点数だって、今さら変えられないんだし、そんなもの何に使うの?


 いやいや、その終わったテストが大事なんだってば!

 確かに、点数を変えることはできないけれど……その点数、本当に全力を出し切って取ったものなのかな?

 実は、よくよく見ると、もっと点数を稼げた部分があったりしないかな?


 

 あ~、ケアレスミスとか、そういうやつでしょ?

 だったら、そんなの返された時にサッと確認して、それで反省すれば終わりじゃない?


 いや、それで終わりじゃないんだ。

 そもそも、間違えた原因や点数が取れなかった原因は、本当にケアレスミスだけかな?

 自分の勉強不足や、当時になって解き方を守らなかったせいで×をされているところは、本当にないかな?


 

 あ……そういえば、今回のテスト、漢字があまり書けなかったんだ……。

 英単語の問題も、何問かは空欄で提出しちゃったなぁ……。


 漢字や単語は、1問の配点は低くても、積み重なると大きな失点になってしまうよ。

 もし、漢字や単語の失点だけで10点も20点も失っているようであれば、次の試験の勉強は、応用問題の理解を深めるよりも、知識の暗記をしっかりやった方がいいってことになる。

 自分の弱点、やらなかったこと、やれなかったこと……しっかり把握して、次に生かすことが大事なんだよ。


 

 点数は変えられなくても、次のテスト勉強に役立つ情報が、たくさんあるってことなのね。

 その時まで覚えていられるか、ちょっと心配だけど……。


 そうだね。

 だから、返却されたテストのフィードバックで得られた情報は、今日の勉強から生かしていこう!

 漢字や単語の失点が多かった人は、1日に3個でいいから新しい単語や漢字を覚える!

 計算ミスが多かった人は、もう一度、自分が塾で教わった正しい計算方法を使うように意識する!

 英語の英訳や並べ変えができていない人は、日本文や英文に対する印のつけ方を確認し、それを徹底する……。

 他にも色々あるけれど、試験でできなかったこと、やらなかったことは、日々の勉強の中で改善して行けるように努力しよう。

 そのためには、返却された試験をしっかり分析して、自分の弱点を知ることが不可欠なんだよ。


今回のまとめ!

 ■返却された試験は、必ず見直してフィードバックしよう。

  自分が×にされた理由を探る。

  理由が分かったら、それを日々の学習の中で改善して行く。