◆ 第四回:成績アップを邪魔する七つの大罪 ④
これまで、成績アップ邪魔する原因として色々と紹介させてもらったね。
簡単に纏めると、生活習慣や学習習慣を正すことと、言われた通りのやり方を身につけられるように、回数をこなして勉強することが大事っていう話だったよね?
当たり前といえば当たり前なんだろうけど……意外と、できてないことも多かったなぁ。
少しずつでも直していかないと、頑張ったことが無駄になるって分かった時は、ちょっとショックだったかも……。
一哉は勉強時間だけなら、わたしよりも長いもんね。
それがほとんど無意味とか言われたら、そりゃショックだわ……。
ただ、問題を解きまくれば頭が良くなるなら、学校も塾も要らないってことになってしまうし、なにより先生なんかいなくても、教科書を何時間も読んでいれば頭が良くなるってことになる。
でも、現実はそんなに甘くないし、だからこそ君達に勉強を教える人も必要なんだ。
教わっている以上は、教わった方法を使わないのはマナー違反だって、前に何かの授業で言われた気も……。
でも、どれだけ頑張っても、教わった通りにできないことってあるじゃない?
そういう時は、どうすればいいの?
そうだね……。
まず、最初にやるべきことは、教科書の例題や解放手順の説明、授業で先生に書いてもらったノートのページなんかを見ることだね。
でも、それでも解決しない場合は、もう答えの本を見ても構わないよ。
えっ!?
でも、宿題って自分の力で解かないと意味ないんじゃない?
なんだか、ズルとかカンニングみたいな感じがして嫌だなぁ……。
う~ん……。
確かに、答えの本を見て何も考えずに丸写しをして、それで終わりにしていたら意味はないけれど……何も分からないのに自分勝手な方法でメチャクチャを始めても、それは勉強したことにはならないよ。
自分の何がいけなくて、どこが間違っているのかを確認するために答えの本を使うのは、むしろ良いことなんだ。
悩んでも解決しないことを悩んで時間を無駄にするくらいだったら、確かに答えの本を見ちゃった方が早いのかも……。
でも、それだったら、授業の前にちょっと早く塾に行って、先生に全部質問するんじゃダメなの?
ダメとは言わないけれど、できればそれは、最後の手段にして欲しいかな。
そもそも、質問に来てくれる人の中には、問題のヒントではなく答えそのものを聞きに来てしまっている人もいるからね。
それだと、先生を生きた百科事典か、あるいはインターネットの検索システム代わりに使っているに過ぎないよ。
自分で調べて確認して、何が悪いのかを考えるという点では、答えの本を見てしっかり間違いを探し、確認した方が勉強になるんだ。
そっか……。
答えの本を見ることって、必ずしも悪いことってわけじゃないのね。
宿題は、テストではないからね。
練習なんだから失敗しても構わないし、不慣れな部分はお手本を見ながらでもいい。
正しい手順で問題を解いたり、考えたりすることを訓練するためのものなんだから、ルールを無視した方法に走るくらいなら、答えの本を見て調べた方がずっといいんだよ。
う~ん……。
でも、やっぱり答えの本を見て調べただけじゃ、自分一人で問題が解けるか不安だなぁ……。
それは勿論、その通りだね。
だから、答えの本に限らず何かを見たり調べたりして問題を解いたときは、必ず「自分独りでも解けるようになっているのか」を確認しないといけない。
宿題を終わらせた次の日、不安な問題をもう一度、何も見ないで解いてみて……それでもダメなら、また答えの本を見て確認しての繰り返し!
それを通して、自然と解放が頭の中に残るようになるまで練習するんだ。
やっぱり、解きっ放しのやりっ放しじゃダメってことね……。
何度も同じ問題を解くのは面倒臭いけど、やってる内に、嫌でも覚えちゃうかもしれないわね。
繰り返しが面倒臭いと思うなら、それこそ「絶対にできるようになってやる!」って思いながら取り組めるかもしれないね。
そういう気持ちで取り組んでいれば、自然とできるようになってくるはずだよ。
一番良くないのは、色々なヒントやフォローがあってこそ解けた問題を、自分一人の力で解けたと勘違いすることだからね。
本当に自分の力で解けるなら、何も見なくても二回目、三回目は楽勝で解けるはずだもんね。
それができないってことは、まだまだ修行が足りないってことなのか……。
そういうこと!
答えの本を全く見ないのも良くないけれど、それに頼りっ放しで自分の力だと勘違いしてしまうのも良くないからね。
自分の力だけで解けるかどうか……それは、自分自身が、一番良く分かっていることじゃないかな?
● 今回のまとめ!
【成績アップを邪魔する七つの大罪!】
第五の罪:答えの本を絶対に見ない
悩んでいても分からない時は、答えの本を見て解き方や考え方を確認しよう!
自分勝手な方法で解いたり、何時間も問題と睨みあったりするのは時間の無駄。
第六の罪:自分自身の力だけで解けたと勘違いしている
テキストの例題や、塾の先生がくれたヒント、あるいは答えの本。
これらを使って解いた問題は、必ず自分だけで解けるようになったか確認を!